スタジオ宙

ライアンガンダー展に郡裕美の似顔絵が展示。

— Yumi Kori's Portrait in 2038 is exhibited at Maison Hermes Tokyo, in Ryan Gander Exhibition —

現在、 銀座エルメスで行われているライアンガンダー展「失われた展覧会」に、2038年の郡裕美の似顔絵が展示されている。今回は、10周年企画展ということで、これまでエルメスで展覧会をした30人のアーティストの2038年の姿を法廷画家に想像して描いてもらった「これが本当の多様性だなんて誰が言った/Who said this was true multiplicity anyway」という作品。(私、郡裕美は、2002年にPanta Rhei すべては流れてあるという展覧会をここ銀座エルメスで行った。)なぜ2038なのかは不明だが、展覧会の歴史をこんな形で未来に向けて記録するという手法もあるのかと、考えさせられる作品だった。

また、「暗闇の匂いがする──(錬金術の箱 #26)/It smells like darkness‐(Alchemy Box #26)」は、あたかもパリのセーヌ川沿いに並んでいる本屋のスタンドが閉店後に蓋を閉めた後のような「アルケミー・ボックス(錬金術の箱)」を床の上に 斜めに置いた作品。この中にはフォーラムでこれまでに展示を行ったアーティストたちがそれぞれ選んだ本が入っているということになっていて、郡裕美が選んだ一冊の本も、展示されている。内容の一覧は壁に書かれているので、会場で郡が何を選んだか、見てください。

こ んな風にライアンさんの作品は、ちょっと難解。でもその中で、すごく感動した作品があった。それは、キュレーターのSさんが、空っぽのギャラリーの中を歩 き回りながら、以前行われたサラジーの展覧会を案内する映像作品「そしてあなたは変わるだろう/And you will be changed」。ビデオをみていたら、空っぽのギャラリーの中に様々な作品が「見えてきた。」なるほど!。アートに大切なことは、見ることではなく、見 ようとする心ということか。

オープニングパーティーの2次会でSさんに聞いてみた。『前の展覧会のこと子細におぼえていますね。』そうしたら「あれは全部本当にあった展示じゃなくて、そ のとき私が思いついたことも入っていたんですよ。」ということ。つまり、展覧会はSさんを通して変成され、それが私の想像力の中で変成された。もともとの作品と私が「見た」作品は、遠くかけ離れたものかもしれないのだ。

『墜ちるイカロス―失われた展覧会』 ライアン・ガンダー展
@メゾンエルメス8階フォーラム
東京都中央区銀座5-4-1
~2012年1月29日(日)
開廊11:00~20:00〔最終入場19:30〕(日~19:00〔最終入場18:30〕)※11月8日15:00〜会期中無休(11月28日、1月1日、2日を除く)
tel.03-3569-3300

投稿者:Yumi Kori |  お知らせ News |  記事本文