スタジオ宙

『建物の完成 Project Completion』 カテゴリーの記事

出雲 バイクショップ 竣工!

— Motorbike shop Completed at Izumo. —

以前、お知らせした島根県出雲のカフェ、レストラン、ショップ、からなる複合商業施設です。そのバイクショップがついに竣工しました!

前回の記事はこちら 出雲の商業施設 上棟!/ スタジオ宙NEWS

このバイクショップは自動車やバイクのための駐車場の空間と、人の居場所となる公園の空間をつなぐように設計しました。公園の利用者が気軽に立ち寄りたくなるように、公園側にはデッキを張り出し、深い軒下空間を造りました。

建物は2つの片流れ屋根とそれらをつなぐ切妻屋根の3つのボリュームからなります。駐車場側でバイクのメンテナンスができるように、屋外の作業スペース囲い込むように建物のボリュームをコの字型に配置しました。

通りからディスプレイが見えるように、バイクの屋外展示ができる空間も設計しました。

こちらは検討の段階で作成したCGのイメージです。

最終形に至るまでいくつものプロトタイプを作成し、建物の配置や形のバランスを考えながら検討しました。

出雲にお越しの際はぜひお立ち寄りください!これから、続けてショップやレストランも工事が始まる予定です。 お楽しみに!

投稿者:Okumura |  お知らせ News, 建物の完成 Project Completion |  記事本文

STUDY:大阪関西芸術祭アートフェア2022 会場は大盛況 !!

— We designed a stroll garden like exhibition space at STUDY: Osaka Art Fair —

私たちが会場デザインした STUDY:大阪関西芸術祭アートフェア、無事にオープニングの日を迎えました!場所は、jr大阪駅直結のグランフロントの大吹き抜け空間です。通常のアートフェアと違って、上階からも、偶然通りがかった人も、入場しなくてもアートフェアを感じることができるデザインです。また、会場の空間デザインとしては、「見え隠れ」の手法に着想を得た、回遊式庭園のようにな空間構成です。会場内を歩くたびに新しいアート作品に出会え、また、様々な人の繋がりが生まれる、新しいアートフェアの形を提案できたように思います。

吹き抜け空間に突如現れた十字の壁
上から見下ろした十字の壁は歯車のようで、会場の床の模様に呼応しながら流れを生み出している。
ギャラリーブースと通路が溶け合い、空間が緩やかにつながる。
立ち位置によって人、アート作品、風景が見え隠れする。

投稿者:Yumi Kori |  お知らせ News, 展覧会情報 Exhibition Info, 建物の完成 Project Completion, 美術の仕事 Art, Stage Design |  記事本文

西宮の家「香風居」の動画UPしました。

— House in Nishinomiya Youtube UPLOADED —

親友のために作った注文住宅です。 敷地は、神戸港から大阪湾、紀伊半島まで一望できる高台にあり、西側には六甲山系の山々が広がります。主な生活空間は2階に浮かせて景色を満喫する計画で、1階は地面との繋がりを重視し、庭の木々や草花を楽しむ空間にしました。建主は、ジョージナカシマの家具のコレクターで、この家のためにアメリカから運んだ家具の一部も居心地よく配されています。 心地よい風の香りを感じていただけたら幸いです。建主は郡裕美のアート作品のコレクターでもあり、1階の玄関にはガラスの中に音と光を閉じ込めた郡の作品「松風」を飾るコーナーを設けました。

庭と溶け合った気持ちの良い住まいがやっと完成したので、動画を作ってみました。まだ、家具が全部入っていないですが、ぜひ雰囲気を楽しんでください。

設計監理:郡裕美+遠藤敏也/スタジオ宙

施工:株式会社越智工務店/山野、木下、中村

造園設計:株式会社岩城/荒川淳良

**************************************

緑の香りを含んだそよ風が頰を撫で、 庭のアオダモが山鳥と合唱を始める。

1階は大地の魅力に触れる場所。 岩盤や草木が話しかけてくれる。

緩やかな段差で空間は回遊し、 徐々に2階へと昇っていく。

地上の重力から自由になった視線は、 海の彼方まで伸びていく。

時を忘れて佇んでいたら、 夕日の山並が一日を癒してくれた。

郡裕美+遠藤敏也

**************************************

投稿者:Yumi Kori |  動画, 建物の完成 Project Completion |  記事本文

「月雫」京都寺町の町家に家具搬入

— Moon Shadow House just Furnished. —

ブルーのソファは床の敷瓦の色と溶け合って、

特注で作ったフロストガラス製のセンターテーブルは静けさに光を滲ませ、

家具が京町家の光にしっとりと馴染みました。

今回、家具は建主さんと密に打ち合わせをしながら選んだおかげで、

建物とインテリアがしっくりあった居心地良い空間になりました。

リビングからダイニングへと緩やかに広がる空間。

ソファーはかつての住まい手であった画家、高林和作の絵画に多く用いられたブルーを基調としたデザインに。

リビングの一角にある書斎カウンター。かつての煙抜きを利用して作った天窓からは優しい光が溢れる。

ゲストルームとしての表屋は、庭の景色を楽しめるベッドルーム。

中庭からゲストルームを見る。庭を楽しみながら心を休める。

2階書斎の一角にあるお昼寝コーナー。作り付けの本棚もある。

2階の書斎からは、階段、座敷を通して御所の緑が見える。

本を読んだり、友人と寛いだりできる、リビングとしての2階の浴室。

投稿者:Yumi Kori |  工事の様子 Construction Site Diary, 建物の完成 Project Completion |  記事本文

香風居(西宮の家)が完成しました。

— House in Nishinomiya Completed —

一昨年より私たちが設計監理させていただいた住宅が竣工致しました。

敷地は、神戸港から大阪湾、紀伊半島まで一望できる高台にあり、西側には六甲山系の山々が広がります。


1階は地面との繋がりを重視し、庭の木々や草花を楽しむ空間としました。

主な生活空間は2階に浮かせて、景色を満喫する計画にしました。


建主は、ジョージナカシマの家具のコレクターで、この家のためにアメリカから運んだ家具の一部も居心地よく配されています。


建主の生活拠点がアメリカだったため、コロナ禍の中、工事契約や地鎮祭、上棟式も全てリモートで行いました。神主がタブレット画面に向かってお祓いをしたり、スマホで建物を映しながら打ち合わせをしたり、今までとは違う経験をさせていただき、とても思い出深い作品となりました。

投稿者:Toshiya Endo |  建物の完成 Project Completion |  記事本文

京都寺町「月雫」のものがたり

— Story of Moon Shadow House —

この住宅は大正時代時代に建てられた町家です。ワインが趣味の建主が、友人を招いて楽しむ別荘として改装することになりました。度重なる増改築によって建設当初の趣が失われている部分もありましたが、玄関庭、中庭、奥庭という、3つの庭が室内と絡み合う空間構成が大変魅力的で、調査のために何度か現場に通ううちにすっかりこの建物の虜になってしまいました。

改装設計を進めるにあたり建物の歴史を調べるうちに、この土地が古くは平安貴族藤原道長の居宅跡の一角だということがわかり、(近くに道長の娘の家庭教師であった紫式部の居宅跡の廬山寺があります。)また、この建物が建てられた大正時代には北大路魯山人のパトロンとも言われた内貴清兵衛の所有地で、その後、西洋画家の高林和作の居宅兼アトリエになったことがわかりました。

ヤフオクで高林和作を見つけて作品集を買い求めると、そこには玄関で展覧会をしている写真がありました。(興味が深まり、設計と並行してこの家を題材に近代和風住宅と京町家の関連性に関する研究も行いました。今春、私の研究室の学生の修士論文としてまとめ、今度建築学会で発表します。)

100年以上の年月が経った古家は老朽化が進んでいました。改装にあたって土葺きの瓦屋根から乾式に替え、柱の接木をしたり梁材の入れ替えをして構造補強を行い、また、傷んだ左官壁は荒壁まで落として深草の中塗土仕上げとし、古い建具は補修しながら再生し、可能な限り建物の記憶を残すデザインにこだわりました。また手刷りの京唐紙の襖、石垣ばりの障子、燻し銀の敷瓦など、伝統的な工法や材料を多用しました。

座敷などのハレの部分は最小限のデザインで場に新しい風を取り入れる試みをし、ケに当たる部分は大胆に新しい空間を提案しました。
新築の設計プロセスとは全く違い、現場で解体が進むにつれて現れる問題点を現場で大工や職人と打ち合わせを重ねて解決し、造りながら図面を描き、考えながら造っていくという贅沢な設計の時間を過ごしました。今ここに無事竣工を迎え、感無量です。

設計にあたっては建物の中にいくつかのストーリーを埋め込みました。庭は、現代の玄関庭から思い出の中庭、そして古代の奥庭へと時の流れを意識した構成となっています。また、前の住み手である高林和作の絵画の特徴である深いブルーを内装に使ったり、藤原道長の有名な和歌の「望月」から着想を得て、家の方々に月のかけらを散りばめたりもしました。

投稿者:Yumi Kori |  建物の完成 Project Completion |  記事本文

寺町の町家「月雫」スライドショーUP

— Walkthrough Moon Shadow House, Kyoto Machiya Renovation —

「月雫」は、大正時代の京都町家を改装して蘇らせたウィークエンドハウスです。古くこの土地は、藤原道長の居宅であったことから、彼の有名な和歌にちなんで望月(満月)をテーマにデザインしています。日本語で月光は月影とも表現されることからMoon shadow houseという英語題も添えています。
もともとあった柱や梁、また土壁や和紙などの伝統的な材料を生かし、職人たちの知恵や技術を借りながら作り上げました。床に使っている敷瓦のいぶし銀は、外光を穏やかに受け止め、光の変化で息づき、土壁や襖紙に映り込んで、空間に潤いのある陰影をもたらしました。
町家の空間の魅力を尊重しつつも、現代の生活スタイルに合った新しい提案もしています。
2階の浴室はもう一つのリビングでもあり、夕日の御所に遥かな星霜に想いを馳せる空間になっています。
ここを訪れる人は、住まいの中に散りばめられた様々な月影の雫を集めて、それぞれの望月を思い描いていただければと思います。

Moon shadow house is a renovation of Kyoto Machiya townhouse and was completed in March 2021. While respecting the traditional architecture of Kyoto, we are designing a new atmosphere that suits modern lifestyles. The dark silver floor tiles gently reflect the outside light, and space breathes as it changes. Since this land is the site of Fujiwara no Michinaga’s residence in ancient times, we decided to design it with the theme of the moon after his famous poem. In Japanese, moonlight refers to moonlight. Hiding various pieces of moon shadows in space, visitors collect them and imagine their full moon in their imagination.

投稿者:Yumi Kori |  建物の完成 Project Completion |  記事本文

次のページ »