スタジオ宙

『メディア掲載 Press Publication』 カテゴリーの記事

新旧、和洋の対比を楽しむ京都九条山の住宅、リノベ完成後の写真公開。

— The Artist Studio House in Kyoto, Renovation of Historical Japanese-Western style architecture. —


京都九条山、南禅寺の裏山に広がる森の中に
ひっそり佇む和洋折衷住宅を
アーティストの住まいと仕事場にリノベしました。

和風と洋風
光と影、
生活と創作、
歴史と現在、
見え隠れする2つの世界


2つの世界を対比し、
強化し、視覚化するため、白と黒の空間を
リノベーションでつくりました。

洋館部分は白い世界に

白と黒、2つの世界を結ぶ場所に
書庫へと続く「本の道」をつくる

白と黒、光と影が戯れる

客間は、和館部分を修復し、
もともとあった素材と空間に最大限の敬意を払って
和を楽しむ空間に。

外観はほとんど手を入れず、
洋館風のデザインそのまま残しました。
和洋折衷住宅という近代日本の特徴的な建築の良さを
現代に甦らせ、そこに新しい価値を生み出すプロジェクトとなりました。

これらの写真は全て、クライエントの写真家 RongRong & Inri さんからいただきました。
写真はすべてRongRong & Inri さんのクレジットです。無断転載はご遠慮ください。

投稿者:Yumi Kori |  メディア掲載 Press Publication |  記事本文

謹賀新年_2025年の活動報告

— Happy New Year 2026 —

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
I wish you a wonderful New Year. 

今年もお正月は精進湖から本栖湖へのハイキングをし、雲一つない絶景の富士山を堪能し、心晴れやかに新年を迎えました。おかげさまで昨年も様々な新しい挑戦ができました。2月には科研調査のためスイスへ。アートと建築がシームレスに融合されている様々な好事例に出会いました。帰国後、手続き型建築モックアップ「蜃気楼階段」のワークショップと研究発表を大阪ガスのNEXT21実験集合住宅で行い、荒川修作の「天命反転」思想の研究を深めました。4月にはイオニア海沿いのヴィラ設計のためにシチリア島へ、6月には軽井沢の別荘が竣工、8月にはイタリアの中世都市マラノラで作品制作と研究発表、11月には大阪箕面瀧安寺で建築の見えない力を想起する作品を制作発表、12月には新しく設立した一般社団法人空間芸術文化研究機構の仲間と一緒に「経済からみたアート」セミナーの企画。そして、それらと並行して千葉県佐原での歴史的建造物再生のプロジェクトにも取り組みました。
今年も人の心に響く美しい空間を創るべく頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

Last year, we took on new challenges in architecture, art, and research. In February, Yumi had a final lecture and exhibition at Osaka Institute of Technology, in April, went to Sicily for a new architectural project, in June, completed a villa in Karuizawa, in August, created an art/architecture installation in the medieval city of Maranola, Italy, and in November, created site-specific artworks at Ryuanji Temple in Minoh, Osaka. In parallel with these projects, we have also been working on revitalizing historical buildings in Sawara, Chiba Prefecture. We will continue to work hard to create inspiring spaces that resonate with people’s minds. 

郡裕美+遠藤敏也 / スタジオ宙一級建築士事務所
Yumi Kori + Toshiya Endo/ studio MYU
★以下、2025年度の私たちの活動報告です。
ご笑覧いただき、ご感想などお聞かせください。
★Below is a report on our activities for 2025.
Please take a look and let us know your feedback.

sous les ailes  「神の御翼の下で守られる」—聖書より—
木造 平家建て、長野県 軽井沢

森の中にひっそりと佇む別荘が完成。敷地の傾斜の生かして空間の流れを作り、小さいながらも変化に富んだ空間がうまれました。sous les ailesは、フランス語で翼の下でという意味です。
インテリア写真、設計のプロセスがわかるリンクはこちらです。
https://www.studio-myu.com/news/archives/7425
室内を案内する動画を作ったら、あっという間に3000回近く再生されびっくり。以下がリンクです。
https://www.studio-myu.com/news/archives/7487

“sous les ailes”, Wooden one-story house, Karuizawa, Nagano 
By taking advantage of the slope, we designed a naturally flowing space, creating a small yet rich environment in a forest. 
Here is the link for more photos and the design process. 
https://www.studio-myu.com/news/archives/7425
and to the Video. (Please set the subtitle.)
https://www.studio-myu.com/news/archives/7487

歴史的建物の再生と新たな価値の創造プロジェクト
千葉県香取市佐原 

1997年より佐原での歴史的町並みの再生に関わってきましたが、昨年からまた新しいプロジェクトが始まりました。 佐原に残る数々の魅力的な建物を、シェアキッチン、シェアオフィス、カフェ、コミュニティスペースとして再生し、町に新たな賑わいを生み出す計画です。佐原での取り組みに対して2015年度建築学会賞(業績)をいただいてからはや10年。これからも引き続き、歴史と有機的につながる生きた町並みを再生する活動に取り組んでいきたいと思います。

We have been working on the revitalization of Sawara’s historic townscape since 1997. Last year, we started working on new projects, converting charming old houses to shared kitchens, offices, cafes, and community spaces, bringing new vitality to the town. In 2015, we received the Architectural Institute of Japan Award for our achievement. We continue our efforts to revitalize living townscapes that are organically connected to the present and history.

蜃気楼階段 / Maranola 
建築インスタレーション、マラノラ、イタリア

マラノラは、イタリア西海岸にある中世の城壁都市。石畳の道と建物が傾斜に沿って複雑に絡み合い、それらを結ぶ様々な階段が人々の生活を支えています。そんな町の小さな広場に「蜃気楼階段 / Maranola 」を設置しました。サイズが微妙に縮小された2つの登れない階段を、人々はどう感じたのでしょうか?
町の写真、制作のプロセス、作品コンセプトはこちらをご覧ください。
会期:2025.8.28-30 Seminaria Sogninterra
材料:スチール、蛍光塗料、ブラックライト、釣り糸、
助成:関西大学「2025年度戦略的研究拠点形成支援経費(基盤形成型)」、小笠原敏晶記念財団
 

Mirrage Stairs / Maranola
Mirage Stairs /Scale-Juggling Escalator, Maranola, Italy
Seminaria Sogninterra 2025, Aug.28-20.
Environmental Art Biennial Festival – 8th Edition

Maranola is a medieval walled city located on Italy’s west coast. Cobblestone streets and buildings intertwine intricately along the slope, and staircases are scattered throughout the buildings to support people’s daily lives. I installed a new “procedural architecture” mockup, “Mirage Stairs/Maranola,” in a small square. 
Here for more photos and text for the concept.
 
うつし・よ

建築インスタレーション、箕面瀧安寺鳳凰閣、大阪市水面に映る世界は、極楽浄土かそれとも現実世界か?箕面瀧安寺鳳凰閣の広間を池に見立てて「浮島」を作り、そこで生まれる「気分」を楽しむ空間作品です。建築家の武田五一が「平等院の鳳凰堂の気分」を表して大正時代に設計したとされる国の指定文化財の中で、来場者の方はかつての平安貴族が思い描いた極楽浄土のに想いを馳せながら、しばし幻の時を過ごします。

展覧会の作品写真、製作風景はこちらをご覧ください。
コンセプト、建物の歴史や背景はこちらをご覧ください。
会期:2025.11.15〜30、箕面の森アートウォーク参加作品
材料:アクリミラー、榀ベニア、木材 協賛:三菱ケミカル インフラテック、新興プラスチックス、総合資格学院

UTSUSHI YO
Is the world reflected on the water’s surface paradise or the real world? My architectural Installation transformed the Ryuanji Temple Hououkaku hall into “Pureland”, as if it were floating on water. The audience is invited to stay in the installation and enjoy the feeling and atmosphere. This hall is a National cultural heritage, and it was designed by well-known architect Goichi Takeda, inspired by the Phoenix Hall, which represents “Pureland”, built during the 11th century. For more installation photos and for the concept and the architectural information, please visit the link.

Minoh no Mori Artwalk 2025,  11.15-30Ryuanji Temple Hououkaku, Osaka
Architectural installation. Materials: Acrylic mirror, oak veneer, wood
Nov. 15th – 30th, Minoh no Mori Artwalk 2025
 

「EVOCATION」@箕面の森アートウォーク2025

 2018年の台風で倒壊した建築、瀧安寺の「庫裡」の記憶をカタチにするインスタレーション「Evocation」 が、2025年の会期中、再び甦りました。失われた建築の記憶を、参加型のアートによって想起するチャレンジです。また、私たちが製作したポスターとデジタルサインが、阪急電車の車内や梅田駅、京都河原町駅の構内に掲示されました。EVOCATION の作品のコンセプト、動画は、こちらをご覧ください。 ポスターとサイネージは、大阪工業大学郡研究室OBの中村翔太さんと一緒にデザインしました。
 

「さりげない違和感と戯れる」
Mirage Stairs / 蜃気楼階段 , 荒川修作+マドリン・ギンズ「手続き型建築」の形態を探る

荒川修作+ギンズの天命反転思想の研究の一環でつくった蜃気楼階段は、現在、大阪ガス 実験集合住宅 NEXT21の住宅の中にあります。ギャラリーに展示するのではなく、蜃気楼階段が不条理的劇のように日常の中に挿入されることで、住人にとっての建築の見え方が変わり、この装置が手続き型建築として作用することを目論んで創りました. ワークショップの様子はこちら.
主催:荒川+ギンズモックアップ研究会(空間と身体感覚の相互作用にもとづく空間デザインの研究)
ワークショップ:大阪ガス 実験集合住宅 NEXT21 日時:3月16日、12月6日Mirage Stairs Workshop, Organized by: Arakawa + Gins Mock-up Research Group
at the Osaka-Gas NEXT21 experimental housing complex.
The Mirage Stairs, created as part of Arakawa Shusaku and Gins’ research ​​on reversible destiny, are currently installed in the Osaka Gas NEXT21 experimental housing complex. Rather than being exhibited in a gallery, the Mirage Stairs were inserted into the house like an absurdist play, with the intention of changing the way residents perceive their everyday spaces and creating a device that functions as procedural architecture. Click here for more information,

★2026年2月15日に大阪ガスNEXT21実験集合住宅にて、「蜃気楼階段」の体験会、イタリアで作った蜃気楼階段の報告会、手続き型建築の研究発表会が開催予定です。会場のNEXT21実験集合住宅の見学会も同時開催。(参加ご希望の場合はご連絡ください。)

投稿者:Yumi Kori |  メディア掲載 Press Publication |  記事本文

佐原町並み散歩 2025.11.8

— Waking tour at Sawara, a historical town in Chiba, for the JIA international guests. —

11月8日、JIA 日本建築家協会の国際事業委員会からの要請で、JIA千葉大会にいらっしゃる海外からのVIPの方々に千葉県佐原の町並みをご案内することになりました。私たちスタジオ宙は、佐原が伝統的建造物群保存地区に指定された1996年より町並みの修復、歴史的な建物の再生を行ってきました。2015年には、その業績に対して建築学会賞をいただきました。

詳しくはこちらをご覧ください →

この写真は、町並み保存のために、小野川沿いに私たちが新築で設計した蔵のレストラン千与福です。ちょうど真ん中の新しい格子のある建物です。佐原においでの折にはランチなど、楽しんでください。建物の詳細が載っているリンクはこちらです。
https://www.studio-myu.com/architecture/archdeta/chiyofuku.html

On November 8th, as part of the activities of the International Projects Committee at the JIA (Japan Institute of Architects) Chiba Convention, we were invited to guide VIPs from overseas around the town of Sawara, Chiba Prefecture. Our studio, Studio MYU architects, has been restoring the townscape and revitalizing historic buildings since 1996, when Sawara was designated a Preservation District for Groups of Traditional Buildings. In 2025, we received the Architectural Institute of Japan Award for our achievements. Click here for more information.

上記の動画は、NPO法人小野川と佐原の町並みを考える会が作成されたもの。とてもわかりやすいので共有します。11月8日の予定としては、町並みを歩いた後に、与倉屋さんの大倉を尋ねる予定。すごい迫力の建物です。こちらも動画を見つけたので、下記に貼り付けます。

The NPO Onogawa and Sawara Townscape Study Group created the video above. I’m sharing it because it’s very easy to understand the condition of the town scape. After walking around the townscape on November 8th, we plan to visit Yokuraya’s Okura. It’s an incredibly impressive building. I also found a video of this, so I’ve attached it below.

郡 裕美

投稿者:Yumi Kori |  メディア掲載 Press Publication |  記事本文

11/10(金)6pm ~「Between Art and Architecture 」郡裕美 講演 @美術館にアートを贈る会2023度総会にて

— Between Art and Architecture, Yumi Kori Lecture —

ベルリンの地下貯水場でのインスタレーション

11月10日(金)午後6時より「Between Art and Architecture」 と題して講演をすることになりました。建築にはアートとして人々の心に語りかける力があると信じ、「アートと建築」2つの世界を行き来しながら活動を続けてきました。それぞれの実践を通じ、アートの力、建築の力について考えてきたことを語ります。皆さんと一緒に楽しく語り合いながら思考を深められれば幸いです。

秋の夜をぜひご一緒いたしましょう。
(参加ご希望の場合は、事前にお申し込みが必要です。)

■日時と内容:
2023年11月10日(金)17:30開場

 18:00-18:15 美術館にアートを贈る会の総会(活動報告。どなたでも参加可能)
 18:15-19:00 講演会「Between Art and Architecture」
        ゲスト・建築家/美術家 郡裕美氏
 19:00-20:00 懇親会

■会場:アートコートギャラリー
大阪市北区天満橋1-8-5 アーコート1F
Tel: 06-6354-5444
http://www.artcourtgallery.com/access.html
アートコートギャラリーでは翌日(11/11)から吉岡千尋展が開催予定ですので、準備の整った吉岡展を一足先にご覧いただくことができます。

■参加費:お一人様/3,000円
サポート会員は無料。サポート会員への申込は当日も受け付けますので受付でお申し出ください。

■参加申込:懇親会の料理などの準備の関係で、11/7まで にメールでお申し込みください。
      美術館にアートを贈る会 事務局 info@art-okuru.org

■郡裕美 アート作品紹介
        https://www.yumikori.com
■郡裕美 建築作品紹介
        https://www.studio-myu.com

銀座 メゾンエルメスでのインスタレーション、光の移ろい、街のネオンなどの環境を取り込んだ作品

投稿者:Yumi Kori |  メディア掲載 Press Publication |  記事本文

記憶をカタチにする作品: EVOCATION 制作の意図と背景@箕面瀧安寺

— The presentation panel at the exhibition " Evocation" —

展覧会が始まってから会場に何度も足を運び、観客の方々と対話を重ねるうちに、だんだん自分の作品に対する理解が深まって、やっと自分がここで何を作りたかったのかということを言語化できるような気がしてきた。
EVOCATION というのは、想起するという意味で、2018年の台風で失われた瀧安寺の庫裡(寺の台所)の記憶をカタチにし、記憶の空間と時間を体験するインスタレーション。
会期終了まで3日を残す今、改めて今回の作品の背景やコンセプトについて語りたいと思う。

今回のサイトは、阪急箕面駅から箕面川にそって緑溢れる滝道を徒歩15分ほど歩いたところにある瀧安寺の境内。本殿の右側、箕面川を渡る瑞雲橋という赤い橋を渡った高台にある。対岸からは山を背景に鳳凰閣、客殿の建物が見える。橋を渡って坂を登ると、門の前には空き地があり、門扉にはかつてそこに建っていた庫裏の大屋根の建物の写真が貼られてあった。
2018 年の台風で裏山の欅の大木が屋根に倒れ込み、瀧安寺の甚大な被害を受け、大破したという。そして、客殿はなんとか修復したものの、庫裡は修理も叶わず解体されたことを知った。

<空き地になっている庫裏の建物跡、門扉には庫裏の建物の写真が貼ってあった>
<門扉に貼ってある台風被害前の庫裏の写真。大屋根の上にある腰屋根が特徴>

<2018年の台風で裏山の欅が倒れ込んで、客殿、庫裏は大きな被害を受けた様子>

<瀧安寺瀧安寺ホームページにあった2018年の台風被害の様子>

そこで、住職に話を伺いながら庫裡について調べてみることにした。瀧安寺は、修験道の創始者と言われる役行者の由来で7世紀に建てられた寺で、古代より多くの修験者を支えてきた。修験道は日本古来の山岳宗教で、厳しい修行を通して「験力」を得て人々の救済を目指す実践的な宗教で、自然とのつながりを大切にする。客殿と庫裡は、1699年、元禄の時代に建立され、鳳凰閣は昭和に入ってから建築家の武田五一が設計したという。
庫裡は寺の台所で、自然の恵みである食物を修験者に施す存在であった。かつて里の人々がここで料理し、修験者その施しを受け、やがて修行で「験力」を得ると自分の里に戻って人々を癒したという。かつて庫裏の中心にあった土間のカマドの上部には煙抜きのための越屋根があり、そこから同時に、光と風を取り込み、人と大地と天空をつなぐ仕掛けであった。

<Google Earth で被害前の写真を発見。上空からも越屋根がよく見える>
<Google Earth で時間を遡り台風に直撃され解体工事が進む写真>

箕面瀧安寺 客殿と庫裡跡 2018年の台風被害

客殿とつながって庫裡(台所・岩本坊)があり、越屋根(かまどの煙抜き) が見える。

庫裡はお寺の台所として瀧安寺の重要な役割を果たしていた。外観を特徴づけている越屋根の下の土間には大きなかまどがあり、そこで煮炊きされた食事は修験者に供されてきた。

2018年に発生した台風21号によって倒れたケヤキの巨木が庫裏に直撃したことで、大屋根が陥没し、建物は大破する。古来から食を施して修験者を支えるという重要な役割を担っていた庫裡。その記憶をかたちにするサイトスペシフィックな作品を作りたいと思った。

かつての航空写真をみると、庫裏は、かつて客殿とつながった大きな建物であったこと、大きな屋根の上に越屋根があったことがわかった。そこで、住職に頼んで昔の話を聞かせてもらった。かつて庫裡には大きな土間の台所があったこと、そこに村の人々が食べ物を持ち寄り、炊き出しが行われて客殿に運ばれ、多くの修験者に食を施したこと、暗くて寒い土間の天井を見上げると幾重にも重なった木造の架構が美しく、煙抜きの越屋根からはかすかに光が差し込いたことなど、様々な空間の記憶を聞かせてもらった。そこで、解体前の建物の実測図を見せてもらい、かつての庫裡の建築の大きさや構造を知り、かまどや越屋根の位置を割り出し、またかつて客殿と繋がっていた廊下の位置も特定した。
そして、私は、その失われた建物の記憶を4つのアートのカタチで表現することにした。

■クウカンノキオク (空間の記憶)

2018年の台風で大破した庫裡の建物の柱割を白糸で縄張りした作品です。糸を頼りにを敷地をめぐり、今は見えない壁を想像し、その中に入り、部屋の大きさを感じ、失われた空間に思いを馳せ、空間の記憶、記憶の時間を感じてみて下さい。建物の高さは現在の客殿と同じくらいあり、床面積もとても広かったことがよくわかります。

■コシヤネノキオク(越屋根の記憶)

庫裡の建物の中心にあり、最も重要な特徴である越屋根をなぞった形の作品です 。かつてカマドの熱や煙は越屋根を介して空へ抜けていき、ここから天光も入ってきました。作品に入り、空を見上げ、赤く燃える炎のメラメラを想像し、失われた越屋根の記憶に思いを馳せみて下さい。この小さな建築は、外から見るとミラーテープに覆われているため、周りの風景を写しこみ、その姿は常に変化します。見る人の角度によって、建物が見え隠れし、また、太陽光が変化し、風向きが変わるたびにその表情を変えます。
作品の中に吊られている石は、もとはこの大地の一部でした。重力のベクトルが空を希求する記憶も視覚化します。

■ ツナガリノキオク(つながりの記憶)

かつて、客殿と庫裏は廊下でつながった一つの建物でした。そこで、解体前の庫裡と客殿がつながっていた廊下の部分に玉石を並べたインスタレーションを作りました。客殿の中と外、両方に注目してください。かつて庫裡で作られた食事は客殿に運ばれ、修験者に振る舞われました。自然の恵みを象徴する餅のイメージを白い玉石に重ねました。(客殿の中に展示してあるパネルの下には、作品のモデルがありますが、そちらでは、白い石の代わりに本物の米を使っています!)失われたつながりを想像してみて下さい。

■ホドコシノキオク(施しの記憶)

餅や飯を想起させる白い玉石をひとつ手にとって、かまど跡に建てられた「コシヤネノキオク」の周りに並べて下さい。自然の恵みに感謝して、土と火と空に「施し返し」をすることをイメージして、参加者の方々に参加していただきたいと思いました。かつて越屋根の下にあったカマドには、自然の恵みである米や野菜が運ばれ調理され、それが客殿に運ばれ、修験者を支えました。かつて修験者が受けた施しの返礼を行うことで、施しの心が世界に広がっていくことを願いました。

□作品制作はワークショップで

また、今回の作品を多くの人の協力で実現できました。実際の建設は、郡が教鞭をとる大阪工業大学の郡研究室+有志が中人になって、ワークショップ形式で行いました。

This is a site-specific art installation realized on the site of Ryoanji Temple in Minoh mountain, Osaka, which was founded in the 7th century. The temple’s “kuri” building (former kitchen) was completely destroyed by a typhoon in 2018. The kitchen was important to the temple because it supported ”shugendo”, Japanese indigenous religion through the provision of food to practitioners. The lost “kuri” had a ”kamado” (earthen floor stove) and a small hip roof above it for ventilation and sky light, and that created a strong connection between the ground and the sky. Therefore, through my work, I wanted to evoke the memory of the lost architecture and reconsider the meaning of the “kuri”.

EVOCATION 箕面の森アートウォーク2023参加作品 

Yumi Kori

ワークショップ実施:10月13日・15日・18日・19日

協賛: 総合資格学院

制作:大阪工業大学  郡裕美研究室+有志,   スタジオ宙,   越智工務店 ,  

アルテ・アバン ,   studio_C ,   mtit

投稿者:Yumi Kori |  メディア掲載 Press Publication |  記事本文

雑誌 City &life に佐原の記事が掲載

— Our Historical Restoration Projects in Sawara Published in the city & life Magazine —

雑誌「city & life」2023年4−6月号(編集・発行/第一生命財団)に千葉県香取市佐原での歴史的な町並みの再生プロジェクトの記事が掲載されました。町並み修景が始まった経緯から、再生の設計プロセスまで詳しく紹介されています。町づくりを先導した地元の方々のインタビューも紹介されています。スタジオ宙の佐原での活動をぜひごらんください。雑誌の詳細と購入は、http://group.dai-ichi-life.co.jp/d-housing/citylife.html

スタジオ宙がこれまで取り組んできた佐原での業績が認められ、 2015年に日本建築学会賞を受賞しました。

佐原のプロジェクトの詳細はこちらからもご覧いただけます。
2015年日本建築学会賞(業績)受賞しました! | スタジオ宙一級建築士事務所 NEWS (studio-myu.com)

投稿者:Okumura |  お知らせ News, メディア掲載 Press Publication |  記事本文

AERA ENGLISHに郡の英語習得法が掲載

— AERA ENGLISH published how KORI learned English —

郡裕美がどのようにして使える英語を習得し、コロンビア大学大学院の建築学科に入学し、その後、コロンビア大学の准教授に就任し、またYale 大学などで教鞭をとり、世界各地で招待講演をするようになったのか。郡のキャリアに関する取材記事が載っています。是非、書店でお手にとってご覧ください。

 

投稿者:Yumi Kori |  お知らせ News, メディア掲載 Press Publication |  記事本文

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