『美術の仕事 Art, Stage Design』 カテゴリーの記事
2023. 09. 30
10月20日から東京・高田馬場ラビネスト劇場で始まる演劇公演の舞台美術を担当しています。舞台の模型やCGを作りながら様々な検討を重ねています。
舞台は廃墟を思わせるシーンから始まるという脚本。 そこで、コーラケースやありあわせの箱を積み上げるという シンプルな舞台セットを提案しました。 最初、観客には、単なる廃材置き場にしか思えないのに、 そこに役者が登場し、役者が動き回ることで、
コーラ瓶ケースがステージに見え、 積み上げられた箱の間が門に見え、 その隙間に道が生まれ、 影の向こうに別の場所が見え隠れし 様々な意味や関係性が生まれては消え、 空間や時間の重層性が感じられるといいなと思いました。
朝鮮半島を南北に分断する38度線がテーマの今回の舞台、 箱の隙間にできた道をあえて視覚化することを提案、 すると、ある時は2つの世界を分断する境界線となり、 ある時はこちらと向こうをつなぐ道にみえ、 そしてある時は、それが南北をまたがって流れるイムジン川に見え、 ある時は舞台上のもう一つのステージに見える、、、
役者の動きや光の変化で、 新しい関係性を見出すことを試みれたらいいなと思っています。 今はまだ、試作の段階で、 まだ、これから検討を重ねていき、公演日に向けて更にデザインを発展させていきたいと思います。
お時間、許せば、是非、おいでください。
劇団アランサムセ 結成35周年公演 「노고지리(ノゴジリ)~つばさ~」 ◆公演日時:2023年10月20日(金)~22日(日) 20日(金) 19:30~ 21日(土) 14:00~ 19:30~ 22日(日) 14:00~ ◆場所:高田馬場ラビネスト(東京都新宿区西早稲田3-27-4) ◆チケット:当日4,000円 前売3,500円 学割3,000円(全席自由)
◆予約・問い合わせ
aransamse@gmail.com原作: 李仁石 ◆脚色・脚本:金恵玲 ◆演出:金正浩 ◆出演:金恵玲 金順香 金正浩(劇団アランサムセ) 経塚裕弘 盧華順 ※電話番号はフライヤーをご覧ください。
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2023. 09. 26
今秋 10月20日(金)より開催される《箕面の森アートウォーク2023》 に参加します。 箕面は、大阪梅田から電車で30分とは思えない自然あふれる場所。阪急箕面駅から箕面大滝へと続く滝道が今回の芸術祭のサイトで、そこに多数の現代アーティストたちがそれぞれ作品を展示します。
今回、郡裕美が敷地として選んだのは、箕面山瀧安寺境内にある庫裏(くり)跡地 。庫裏は、2018年に台風被害を受けて大破し、現在は空き地になっています。
ここに「EVOCATION」というサイトスペシフィックな作品を制作することにしました。 「EVOCATION」というのは「想起」という意味。 庫裏の、失われた記憶をカタチにする作品です。
庫裏の跡地には 光と風がゆらめき かまどの炎が煌めき 失われた記憶が見え隠れする。
庫裏は寺の台所 ここで米が炊かれ、 行者に食が施され、 修験道を支えてきた。
かつて大地と空をつないでいた 煙抜きの越屋根の場所に 白飯のような玉石を並べてみれば 記憶の時間へ旅できるだろうか
※ 芸術祭への出展に伴い、郡が教鞭をとる大阪工業大学空間デザイン学科の郡研究室 が中心となって、10月13日 作品制作に伴う建築ワークショップ を行います。詳細は《こちら》 .
さて、今回のアートプロジェクトを想起した背景を少し、紹介します。
《瀧安寺》 は、658年に修験道を創始したとされる役行者が箕面滝で修行をし、滝のそばに自ら弁財天の像を祭祀して箕面寺(のちの瀧安寺)と称したことを起源とする。山岳の道場として多くの修験者を受け入れることで発展し、現在に至る。今も多くの修験者がここを訪れる。
瀧安寺 の客殿と庫裏跡地を本堂側から箕面川ごしに見る。
台風被害前の庫裏 の外観写真
台風被害前の庫裏 の鳥瞰写真。(客殿につながって庫裡がある、かまどの煙抜きの為の越屋根が見える)
その際、お寺の台所として瀧安寺の重要な役割を果たしていたのが庫裏 である。外観を特徴づけている越屋根(屋根から飛び出た小屋)の下には元々大きなかまどがあり、そこで日夜奉仕者の方々が煮炊きをして、食べ物を施すことによって修験者を支えてきた。しかし2018年に発生した台風21号によって倒れたケヤキの巨木が庫裏に直撃したことで、庫裏の大屋根が陥没し、建物は大破する。
台風被害後(大破した庫裏の撤去工事中)鳥瞰写真
庫裏の跡地が空き地になっている現在の鳥瞰写真
古来から食を施して修験者を支えるという重要な役割を担っていた庫裏。 その記憶を頼りに、庫裏の跡地にサイトスペシフィックな作品を作る。
江戸時代に描かれた箕面瀧安寺の鳥瞰図 『摂津名所図会』
失われた庫裡の煙抜きの越屋根に思いを馳せ、記憶のカタチを想起する。
《箕面の森アートウォーク2023 》
会期 :2023年10月20日(金)〜11月3日(金) 時間 :10:00〜17:00会場 :箕面山 瀧安寺 / 聖天宮 西江寺 / 箕面大滝前 / 梅屋敷 / 琴の家 ※郡裕美の作品「EVOCATION」は箕面山 瀧安寺 が会場です。最寄り駅: 阪急箕面駅 (梅田駅より阪急電車で30分) ※瀧安寺は箕面駅より徒歩15分
右は箕面大滝の写真です。秋の美しい箕面の自然を楽しむついでに是非おいでください!
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2023. 09. 22
2018年の台風で失われた箕面山 瀧安寺の庫裏(くり)の、 建築の記憶をカタチにするインスタレーション作品を作ります。
これに合わせ、大阪工業大学空間デザイン学科の郡裕美研究室が、 「失われた記憶をカタチにする」建築ワークショップを行います。
空間アートや建築に興味がある皆さん、一緒にアート制作を楽しんでみませんか??
年齢不問、未経験大歓迎 です。多くの方々参加をお待ちしています。
ワークショップの詳細・参加申し込みは〈こちら 〉 から!
建築のプロに指導してもらいながら、実物サイズの建築を建てるワークショップです。 土を掘って柱を建てる。 木を組んで小屋を作る。 壁を作って空間を生み出す。 石をおいて領域を作る。 建築を学生にとっては、授業では学べない建築のリアルに触れて、 設計力、デザイン力を伸ばす貴重な機会になるはずです。 ぜひ参加ください!
本作品は芸術祭 「箕面の森アートウォーク2023 」の公式参加作品です。 (会期:10/20(金)〜11/3(金) 時間:10:00〜17:00 )
今回作る予定の作品の詳細については〈こちら 〉 で紹介しています。
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2023. 06. 13
特別レクチャー&懇親会のご案内です。今回、世界各地の建築や人々と関わりながら制作をしているニューヨーク在住の美術家、長澤伸穂氏をお招きし、建築と都市とアートの融合、その可能性について広く考える機会を持ちたいと思います。 其々の土地の文化の歴史や記憶を深く研究して生まれる長澤氏の作品は、サイトスペシフィック、かつコミュニティ・レスポンシヴで、彼女のソーシャリー・エンゲージド・アートやパブリックアートは日本、アメリカ、南米、ヨーロッパ、アフリカ、中近東などで発表され、国内外で多くの受賞歴があります。
このレクチャーは、現在、モデレーターである郡裕美が取り組んでいる「現代美術家の建築設計への参画プロセスとその効果に関する研究」の活動の一環です。近年、国内外の現代美術家が建築の制作過程に積極的に参画する例が多く見られるようになり、その結果、建築とアートが融合した新しい建築デザインの潮流が生まれています。建築設計への美術家の関わりについて研究することで、芸術表現のプラットフォームとしての建築デザインの可能性を探りたいと考えます。また、この講演会、意見交換懇親会を通して、コロナ後に求められる新しい環境、新しい豊かさについて、参加者の方々とともに考える機会になればと思います。
今回の会場である船場エクセルビルは、一昨年より、船場アートサイト、関西国際芸術祭の会場として使われ、中船場地区でのアートの発信地として認知されてきました。また、昨年オープンしたナカセンバカフェは、既成概念に囚われず自由な発想を生み出す「反重力カフェ」という愛称で、地域の人々やアート関係者の交流の場として機能しています。今回、2階で講演会を行ったあと、参加希望者の方々との自由な交流を通して、アートをキーワードに、中船場地区の新しい豊さに関して考えられればと希望しています。
『When Architecture Meets Art』
建築とアートの融合を実践的に研究する 特別レクチャー & 懇親会/意見交換会
〇レクチャー 2023年7月19日(水) (定員:40名) 6:00 PM 開場6:30-7:50 PM 開演 船場エクセルビル2階会費 1000円 (学生 無料)
〇懇親会/意見交換会 (定員:30名)2023年7月19日(水) 8:00-9:30 PM 船場エクセルビル1階 反重力 ナカセンバカフェ会費 3500円 (学生 2000円) 懇親会では、飲物と軽食を片手に、来場者の方々との意見交換を通し、 テーマについてさらに深く考えられればと思います。
予約はこちら https://semba-nagasawa.peatix.com 会費は当日、現地にて現金でのお支払いをお願いします (お釣りのないように現金を用意いただけると幸いです。) キャンセルの場合は必ず okumura@studio-myu.com までご連絡をお願いします。
主催:大阪工業大学 郡 裕美 研究室 特別レクチャー会場提供:辰野株式会社 運営協力:株式会社 スタジオ宙
投稿者:Okumura |
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2023. 01. 26
試作を重ね、郡裕美が新しいインスタレーション作品を制作しました。 会期は2月12日の日曜日までです。
ギャラリーは大阪城の外堀跡、空堀にあります。 今はレトロな商店街が有名な素敵な場所です。 空堀の町散策も兼ねて是非お越しください。
Border / 郡裕美展 〇会期: 1/25(水) ー 2/12(日) 12~ 7pm 月・火・日は休廊 ( 2/12は開廊~5pm) 〇会場: +1 art 大阪市中央区谷町6−4−40 地下鉄 谷町六丁目駅 4出口1分
〇展覧会の詳細は www.plus1art.jp
「BORDER」作品説明
昨年の夏、ブラジルの小島に滞在した。 どこまでも続く空と海を全身で感じたくて、毎朝、日の出前に起きて海岸で瞑想をした。大きく息を吸い込むと朝の空気が私の体を満たし、ふーっと息を吐くとさっきまで体の一部だった空気は再び大気へ返っていく。 太陽が昇ると静かな海に入る。身体の境界が溶けて海水と一体化していく。
砂浜には波の形が映されて砂紋ができ、浜に棲む数々の生物の生命の跡が残る。 私は足元に落ちていた貝殻を拾い、砂の上に線を描いてみる。 朝日の鋭角の光が深い影を作り、世界をあちらとこちらに分ける境界線になり、 同時に私の生きた跡にも見えた。 その境界線にまたがると、2つに分けられた世界が一つになった。 日が昇りきると、砂の上の線は満ち潮のなかにすっかり消えていた。 初めて砂浜に線画を描いた朝、母が危篤だという連絡が届いた。 飛行機の予約が取れるまで、私は毎日、母のことを思いながら海岸に線を描いた。 現れたり消えたりする境界/BORDERをテーマにした作品を作りたいと思った。
2023/01/25 郡 裕美
投稿者:Okumura |
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2022. 03. 25
VIDEO
2022年2月24日、ロシア軍が突然ウクライナに侵入しました。 町が爆撃され、人々の生活が破壊される惨事を見て 強い憤りと深い痛みを感じています。 戦争が1日も早く終わり、 愛する人との平穏な日々が戻ることを願い、 ウクライナの国旗の青と黄色の光に、 希望と絆を表す言葉を投影し、 平和を愛する人々との連帯と戦争への抗議を表しました。
発案:郡裕美, 設営: 郡裕美+奥村収一 / スタジオ宙、Ikuma, Akihito, Kohei, Akie / 大阪工業大学 空間デザイン学科 郡裕美研究室LSDL有志、 主催:金森秀治郎 ( 日本橋の家 オーナー )、場所:ギャラリー日本橋の家 (大阪) , 期間:2022. 2. 25 – ロシアの侵攻が止まるまで All right reserved 2022 ©️ Yumi Kori
On the day of February 24, 2022, Russian troops suddenly invaded Ukraine. Seeing the devastation as towns were bombed and people’s lives were destroyed We feel strong indignation and deep pain. We hope that the war will end as soon as possible. to be able to live peacefully with their loved ones. In the light of the colors of the Ukrainian flag Projecting words of hope and bonding, and Solidarity with peace-loving people and protest against the war.
HOPE Installation : Yumi Kori Shuichi Okumunra / studio MYU Ikuma, Akihito, Kohta, Akie / Osaka Institute of Technology Organizer: Shujiro Kanamori Location: Gallery Nipponbashi no ie, Osaka, Japan Period: 2022.2.25 until the War ended.All right reserved 2022 ©️ Yumi Kori
投稿者:Yumi Kori |
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2022. 03. 14
先月末から、ギャラリー日本橋の家(大阪)で、コロナの医療従事者を応援するためにブルーライトのインスタレーションを行なっていましたが、この度、一階の光を黄色にし、ウクライナ国旗の色にました。
1日も早く戦争が終結しますように。
愛する人と自由に会う日が戻ってきますように。
HOPE, WISH, LOVE, HUGS…など、希望とつながりを感じる言葉を、心を込めてガラスに映しています。
『HOPE』@ギャラリー日本橋の家 毎晩7PM – 11PM 〒542-0073 大阪府大阪市中央区日本橋2丁目5−15
大阪ミナミを通りがかる折には、立ち寄ってみてください。
1。階奥で黄色の光が点滅する
投稿者:Yumi Kori |
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