スタジオ宙

香風居(西宮の家)が完成しました。

— House in Nishinomiya Completed —

一昨年より私たちが設計監理させていただいた住宅が竣工致しました。

敷地は、神戸港から大阪湾、紀伊半島まで一望できる高台にあり、西側には六甲山系の山々が広がります。


1階は地面との繋がりを重視し、庭の木々や草花を楽しむ空間としました。

主な生活空間は2階に浮かせて、景色を満喫する計画にしました。


建主は、ジョージナカシマの家具のコレクターで、この家のためにアメリカから運んだ家具の一部も居心地よく配されています。


建主の生活拠点がアメリカだったため、コロナ禍の中、工事契約や地鎮祭、上棟式も全てリモートで行いました。神主がタブレット画面に向かってお祓いをしたり、スマホで建物を映しながら打ち合わせをしたり、今までとは違う経験をさせていただき、とても思い出深い作品となりました。

投稿者:Toshiya Endo |  建物の完成 Project Completion |  記事本文

「月雫」のものがたり

— Story of Moon Shadow House —

この住宅は大正時代時代に建てられた町家です。ワインが趣味の建主が、友人を招いて楽しむ別荘として改装することになりました。度重なる増改築によって建設当初の趣が失われている部分もありましたが、玄関庭、中庭、奥庭という、3つの庭が室内と絡み合う空間構成が大変魅力的で、調査のために何度か現場に通ううちにすっかりこの建物の虜になってしまいました。

改装設計を進めるにあたり建物の歴史を調べるうちに、この土地が古くは平安貴族藤原道長の居宅跡の一角だということがわかり、(近くに道長の娘の家庭教師であった紫式部の居宅跡の廬山寺があります。)また、この建物が建てられた大正時代には北大路魯山人のパトロンとも言われた内貴清兵衛の所有地で、その後、西洋画家の高林和作の居宅兼アトリエになったことがわかりました。

ヤフオクで高林和作を見つけて作品集を買い求めると、そこには玄関で展覧会をしている写真がありました。(興味が深まり、設計と並行してこの家を題材に近代和風住宅と京町家の関連性に関する研究も行いました。今春、私の研究室の学生の修士論文としてまとめ、今度建築学会で発表します。)

100年以上の年月が経った古家は老朽化が進んでいました。改装にあたって土葺きの瓦屋根から乾式に替え、柱の接木をしたり梁材の入れ替えをして構造補強を行い、また、傷んだ左官壁は荒壁まで落として深草の中塗土仕上げとし、古い建具は補修しながら再生し、可能な限り建物の記憶を残すデザインにこだわりました。また手刷りの京唐紙の襖、石垣ばりの障子、燻し銀の敷瓦など、伝統的な工法や材料を多用しました。

座敷などのハレの部分は最小限のデザインで場に新しい風を取り入れる試みをし、ケに当たる部分は大胆に新しい空間を提案しました。
新築の設計プロセスとは全く違い、現場で解体が進むにつれて現れる問題点を現場で大工や職人と打ち合わせを重ねて解決し、造りながら図面を描き、考えながら造っていくという贅沢な設計の時間を過ごしました。今ここに無事竣工を迎え、感無量です。

設計にあたっては建物の中にいくつかのストーリーを埋め込みました。庭は、現代の玄関庭から思い出の中庭、そして古代の奥庭へと時の流れを意識した構成となっています。また、前の住み手である高林和作の絵画の特徴である深いブルーを内装に使ったり、藤原道長の有名な和歌の「望月」から着想を得て、家の方々に月のかけらを散りばめたりもしました。

投稿者:Yumi Kori |  建物の完成 Project Completion |  記事本文

寺町の町家「月雫」スライドショーUP

— Walkthrough Moon Shadow House, Kyoto Machiya Renovation —

「月雫」は、大正時代の京都町家を改装して蘇らせたウィークエンドハウスです。古くこの土地は、藤原道長の居宅であったことから、彼の有名な和歌にちなんで望月(満月)をテーマにデザインしています。日本語で月光は月影とも表現されることからMoon shadow houseという英語題も添えています。
もともとあった柱や梁、また土壁や和紙などの伝統的な材料を生かし、職人たちの知恵や技術を借りながら作り上げました。床に使っている敷瓦のいぶし銀は、外光を穏やかに受け止め、光の変化で息づき、土壁や襖紙に映り込んで、空間に潤いのある陰影をもたらしました。
町家の空間の魅力を尊重しつつも、現代の生活スタイルに合った新しい提案もしています。
2階の浴室はもう一つのリビングでもあり、夕日の御所に遥かな星霜に想いを馳せる空間になっています。
ここを訪れる人は、住まいの中に散りばめられた様々な月影の雫を集めて、それぞれの望月を思い描いていただければと思います。

Moon shadow house is a renovation of Kyoto Machiya townhouse and was completed in March 2021. While respecting the traditional architecture of Kyoto, we are designing a new atmosphere that suits modern lifestyles. The dark silver floor tiles gently reflect the outside light, and space breathes as it changes. Since this land is the site of Fujiwara no Michinaga’s residence in ancient times, we decided to design it with the theme of the moon after his famous poem. In Japanese, moonlight refers to moonlight. Hiding various pieces of moon shadows in space, visitors collect them and imagine their full moon in their imagination.

投稿者:Yumi Kori |  建物の完成 Project Completion |  記事本文

寺町の町家のリノベ竣工!

— Kyoto Machiya Renovation Comleted —

大正後期の既存建物の解体をしながら、作りながら考える、考えながら造る。久しぶりに思う存分悩んで設計させていただきました!

リビングからダイニング。敷き瓦が光を運ぶ。

ダイニングからは南の庭が楽しめる。

二階には座敷。掛け軸をイメージした窓を床の間に設けました。

投稿者:Yumi Kori |  建物の完成 Project Completion |  記事本文

日本の在来工法では1日で建物の骨組みが完成!

— Frame Erection within a day, Japanese traditional Method —

骨組みが1日で組み上がる日本の伝統的な木造の建築工法、「建て方」の様子をシェアしたくて、現在進行中の、西宮の家の上棟の様子をレポートします。

ちょっとばかり日はさかのぼり、、、、、お天気に恵まれた秋の吉日、建て方をしました。日本の在来軸組工法では、あらかじめ加工場で全ての部材を加工して、組み立てるのは1日で。鳶や大工が、あっという間に建物の骨組みをくみ上げる様子には惚れ惚れし、時間を忘れます。

投稿者:Yumi Kori |  工事の様子 Construction Site Diary |  記事本文

大工さんの丁寧な仕事@京都の町家

— Carpenter's meticulous and heartfelt work@Kyoto Machiya Renovation —

京都の町家のリノベ現場レポートです!
大正期に建てられた既存建物は、
長年の時間の中で少しずつ歪んだり、歪んだりしています。
それに合わせて、部材一つ一つ、丁寧に現場で合わせながら、
ノミで几帳面に削りながら、加工しながら組み立て、
老朽化した町家に少しずつ新しい息吹が吹き込まれていきます。
見れば見るほど素晴らしい職人技!!!
現場で木材を手加工する大工さん、こんな風景、今ではほとんど見られなくなりましたね。小さな現場ですがここでは4人の宮大工が入ってくれています。
新築の現場でとは違うその丁寧で愛のこもった仕事ぶり、
現場監理に行くたびに惚れ惚れして見ています。

投稿者:Yumi Kori |  工事の様子 Construction Site Diary |  記事本文

焼杉の外壁もでき、工事が着々と進んでます。

— Burnt cedar siding applied, House in Nishinomiya —

昨日、西宮の現場に行ってきました。
海外に住む施主のために、現場ではFaceTimeで打ち合わせ、現場の様子は早速Youtubeにアップして動画でレポート。コロナのため来日できなくても、オンラインで十分コミュニケーションができるようになりました。

雨模様かと思いましたが、現場に着いた時にはちょうど晴れ間が広がり気持ちの良い午後になりました。
外壁の杉板が美しく施行され、いい感じ!
焼杉は、日本の伝統的な建材で、杉板の表面を焼き焦がし炭素層を人為的に形成したもの。炭化されることで、材料の耐久性が増し、しかも美しいという外壁材にはもってこいの素材です。滋賀県以西の西日本でよく使われる材料です。
室内でも、2階の天井が張られ、着々と工事が進んでいます。天井は美杉と言われる杉材。節のない美しい木目です。
大工さんが一枚一枚丁寧に施工してくださってます。

投稿者:Yumi Kori |  工事の様子 Construction Site Diary |  記事本文