スタジオ宙

古い蔵で展覧会、織物の町 富士吉田で

— TSUMUGU Installation with Bernhard Gal @Fuji Textile Week —

山梨県富士吉田市は、1000年以上続く織物の町です。

現在、「織りと気配」というテーマで、森美術館特別顧問の南條史生氏がディレクターとなって、興味深いアート作品が町のあちらこちらで展示されています。


今回、 郡裕美は「TSUMUGU」というタイトルで、市内の残る3階建ての古い蔵を使い、光と音のインスタレーションを展示しています。古代から続く織物の歴史や記憶に思いを馳せ、蚕小屋の暗闇の中で生まれる絹糸が、美しい布として紡がれるイメージの作品を作りました。既存の建築を生かしたアート作品で、町の活性化に寄与しています。

圧倒的に美しい冬の富士山観光と合わせて、是非お越し下さい。

◯会期:2021年12月10日(金) ~ 2022年1月9日(日)
◯会場:富士吉田中心市街地
◯展覧会のHPはこちら。https://fujitextileweek.com/

12月10日(金)の朝10時から、郡裕美と南條史生氏 (森美術館特別顧問)と大巻伸嗣氏(東京藝術大学美術学部教授)とのクロストークが企画されました


「TSUMUGU」 作品説明 

町並みの裏にひっそりと建つ3階建ての古い蔵は、幻想的な青い光に満たされ、機織部屋の気配、蚕が桑を食む音に包まれて眠る繭、緯糸のように等しく時を刻む光の糸と、階を上がるごとに観客は異なる織物の時間層へと誘われます。これは、太古から未来へつづく織物の記憶を光と音で紡ぎ出すインスタレーションです。

1階 蔵にあった古いガラス戸、蔵の窓の隙間から差し込む光、ゆっくり点滅する青い光、遠くから響く機織りのサウンドが機織りの思い出の時間と空間を紡ぎ出す。

2階 蚕が闇の中で吐く白く光る糸、蚕小屋の闇の中で息づく繭のイメージ、そこに蚕が桑の葉を食べる音が響く。観客は桟橋の上で光と音に包まれて静かに時を過ごす。部屋の両端の壁に光の粒が幾重にも重なって映り込み、空間が永遠に広がっていく。

3階 闇の中に浮かぶ5本の光る糸、永遠を思わせるサウンド。
太古から時を刻むように続くよこ糸に、自分自身のたて糸を重ね合わせて、たった一つの織物を織ってみる。

サウンド制作:ベルナルド ガル Bernhard Gal
LED制作 :大須賀美恵子 大阪工業大学 ロボティックス&デザイン工学部
協賛:三菱ケミカルインフラテック(株)アクリライト

 初めて富士吉田に行って、作品アイディアを考えた時の郡裕美のエッセイはこちら。

https://www.studio-myu.com/blog/archives/1635

投稿者:Yumi Kori |  お知らせ News, 展覧会情報 Exhibition Info, 美術の仕事 Art, Stage Design |  記事本文