YUMI KORI ART WORKS

『日常風景』 カテゴリーの記事

料理を通して建築を学ぶ?

— Leaning Architecture through Cooking! —

先日のBBQでの出来事。教え子の建築学科の学生に準備を手伝って貰った。
「カボチャを蒸すから、3センチ角ぐらいの大きさに均等に切ってね。」簡単な事だと思って気軽に頼んのだが、その成果物に目を丸くした。5分後にまな板の上に並んでいたカボチャは、厚みが1センチから3センチくらいまで、まちまちだ。
「え?これじゃ、調理時間に個体差ができすぎて困るよ。ほら、蒸し器をみてよ。蒸気が均等に当たって、表面から内部に伝わる熱が同じになるように切らなければ、柔らかいところと堅いところの差がありすぎてうまく火が通らないよ。」
そんな当たり前のこと、まさか説明しなければならないとは、思いもしなかった。
「カボチャのひと切れ、それぞれの容積が均等か、いやいや体積だけの問題ではない。表面から内部への距離感が同じくらいか。」
自分が今までそれらを瞬時に判断しながら、野菜に包丁を入れていたとは気がつかなかった。
でも、この感覚、建築にも通じるんだよね。
たとえば、部屋の容積と光の関係。障子で囲まれた部屋があるとしよう。カボチャの表面から蒸気が入り込むように、障子を通して光が浸透する様子を想像してみてほしい。同じ容積の部屋でも丸い部屋と、細長い部屋とでは、中心部の明るさは全く違う。
あー、こういう当たり前のこと、人は日常生活の経験を通して学んでいくんだなあー。
学生には、建築教育とか大学で学ぶ「学問」だけでなく、いろんな事をする機会を作ってあげたいものだと、つくづく思った。

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どこにいるのか解らなくなる世界

— cofee put me into disoriented feeling if I was in New York or in Japan... —


名古屋駅前のミッドランドスクエアーの地下で母と待ち合わせをした。コロンビア大学で学生だった頃からのお気に入りだったニューヨークのカフェDean & Delucaの支店をみつけ、うれしくなってカプチーノを飲みながら待つ。ニューヨークと同じ大理石の丸テーブルに置いてあるカプチーノの泡を眺めていたら、一瞬、時間と空間がワープし、自分がいる場所が日本なのか、ニューヨークなのか、よくわからなくなった。

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沢山の命をいただいて今日も元気。

— Eating fishes made me think of Receiving lives from Nature. —

ごまめ別名、田作りは、カタクチイワシの乾燥品を調理した料理。暖かいご飯と一緒にいただくと最高に美味しい。母の定番の一品。一尾、また一尾、箸に「捕って」いただきながら、思った。「このお魚さん達に申し訳が立つように、今日も一日、がんばろうーっと!」

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祇園のしだれ桜、雨模様。

— cherry blossoms in Kyoto —

婦人画報の取材撮影に立ち会う為に、数年前に設計させていただいた衣笠のお宅を訪問した。(5月1日発売の6月号に掲載予定!)あいにくの雨模様で撮影はちょっと大変だったけれど夕方には雨もあがり無事終了。そして、ちょっと足を伸ばして祇園のしだれ桜の見物に。すると、赤い服を来たカメラマンが宙を舞い、報道陣が桜の周りをうろうろロケハン中。確かにこの美しい桜の花、この場にいる私たちだけでなく全国のテレビの前の人も楽しめるといいのだろうけれど、せっかく祇園まで足をのばした私としては、…なんだか興ざめ。

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「物質より関係性」脳内回路コネクトーム。

— Does the brain's wiring make us who we are? —

脳内のネットワークを表すconectome という考え方についてのシンポジウムがコロンビア大学で開催された。ハーバード大学Sebastioan Seung 教授とニューヨーク大学Anthony Movshon教授がメインゲスト。チケットはあっという間に売り切れ、300席以上もある階段教室には人があふれ、入りきれない観客が別室でサテライトされるビデオを見るというほどの大盛況ぶり。まるでロックコンサート会場のような熱気だった。参加者は老若男女バラエティーに富んでいたが、皆、目チカラが強くて頭の回転の良さそうなオーラを放っている人ばかりに見えた。一緒に行った脳科学者の友人が、会場を見回し「ノーベル賞を受賞した科学者が3人もこの観客なかに居るよ」と教えてくれた。(ちなみにこの講義室は、ペーパーチェイスという映画の舞台に使われた有名な場所)

脳の仕組みがだんだんわかるようになってきて、ニューロン(神経細胞)の詳細な接続状態を表した地図、つまり神経回路が解明されはじめ、ニューロンそのものだけでなくコネクトーム(それらの接続のされ方)によって脳の働きが決まってくるという考え方が主流になっているらしい。

建築の世界でも、物体より空間、そこで生まれる関係が重要。脳科学でもやっぱり神経細胞という物質だけでなくそれらの関係性が重要ということか…。素人の勝手な曲解で妙に納得してしまった。たまには、異分野のレクチャーを聴くのもおもしろいなー。

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春爛漫のセントラルパーク

— Beautiful spring view in Central Park —

青い空の下、若々しい緑の香りが広がり、
桜、レンギョウ、木蓮など、様々な花が咲きみだれ、
ニューヨークには、日本よりずっと早く春が訪れていた。

We have four seasons in Japan. 「日本には四季があります。」中学のころ、英語の時間に習ったフレーズだ。一度も外国に行ったことがなかった中学時代の私は、地理の時間に世界地図を見て日本にだけ四季がある訳じゃないことが頭ではわかっていても、なぜか、四季が日本独特のものだと思っていた。
でも、ここニューヨークにもやっぱり四季があって、
春は、本当に美しい。

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飛行機の中で考えたこと

— Tokyo-NYC, 13 hours flight, not speaking a word to the neighbors. —

ニューヨークへの飛行時間は、約13時間。その間、隣の席の人とは、挨拶ひとつ交わさない。いつからこんな不自然が普通になったんだろう。10年ほど前までは、隣の人と話が弾み、名刺を交換し、友達になったこともよくあったのに…。考えてみれば、エコノミークラスの狭い椅子で毛布にくるまって隣同士で寝ている私たち、挨拶のひとつぐらい交わした方がずっと自然で居心地もいいはず。(でも、本当は、見ず知らずの乗客と突然急接近し、地球の裏側に旅する間、狭い椅子で隣同士に並んで眠るということ自体、全然自然じゃないのだけど。)
まわりを見渡しても、隣どうし話をしている人はほとんどいない。国際線の飛行機がこうなのだから、人と人の関係性が希薄になっているのは日本だけでないよう。今回は、13時間、結局、声をかけそびれたままだったけど、今度のフライトでは、隣に座った人に自分の方から微笑みかけて挨拶をしてみよう。

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