YUMI KORI ART WORKS

2014年7月の記事

被災地で見える建築の根源的なチカラ

— Disastor visualize the power of Architecture not only as a shelter to protect people, but also as a monumental simble for reconstruction. —

JIA_Ban_140703_7smプリツカー賞を受賞された建築家の坂茂氏の講演を聴いた。被災地に駆けつけて仮設建築を作ってこら れた坂さんの仕事の数々を見ながら考えた。建築が過剰な現代都市の状況下とは違って、被災地においては、建築の持つ根源的なチカラがピュアーに見える。 シェルターとしてだけでなく、復興を願う人々の心を一つにするモニュメントとしても、、、。望まれてもいないのに、手弁当で被災地に駆けつける坂さんの情熱の裏に、建築への強い思いを感じた。

Ban_JIA_s7m_3

「活動を進めるうちに何が仮設なのか、なにか恒久的な建築なのか分からなくなった。」経済優先のために取り壊しになった赤坂プリンスを例に、「人々の思いがあれば、それはTemporary であってもpermanent な建物になりうると考えるようになった。」という。また、阪神淡路大震災のあと、「被災後、信者が何もない野原に集う様子を見、建物がなくなったことで、本当の教会が生まれたような気がした。」と発言した牧師の言葉も引用された。人々の精神のよりどころとしての「建築」を評価しようとするとき、鉄やコンクリートでできた重厚で権威的な構造物よりも、人々のいたわりの気持ちを育てる仮設的で繊細な建物の方が、よりmonumental になり得るような気がした。

講演会の後は、盛大な受賞祝賀会。「作品づくりと社会貢献の両 立を目指して」という題名での講演会@JIA日 本建築家協会Architects Garden。

投稿者:yumi |  建築 |  記事本文

自然の香りを運ぶ、半屋外の能舞台

— Open Air Noh Stage birng nature into the play. —

Yoyogi_Nogakudo_1sm_900

約160名が入る客席。庭との間には建具がない。自然光で観る装束、風を感じながら聞く謡は、格別だ。

6月末の梅雨の最中、半屋外の代々木能楽堂で「班女」を観た。最初は初夏の日差しの下、穏やかに始まった舞台だったが、花子が恋人を待ちこがれ、狂人となる段で、にわかに雷が鳴り響き、雨が降りはじめた。水しぶきに呼応する舞と謡の迫力に圧倒され、嵐が激しくなるにつれますます臨場感が増す。自然に開かれた能舞台ならではの迫力の一曲だった。

I saw ” Hannyo” at Yoyogi Open Air Noh theater under the big storm yesterday. The dancer and singer corresponded to the thunder and splash created super dramatic atmosphere.

Yoyogi_nogakudo_michi_1_900
久しぶりに雨水を観た。軒先を伝って滝のように落ちる。屋根は水の流れを生み出す装置。洗濯物干竿が見える隣家のベランダ、モルタル木造にはまったアルミサッシ。日常風景に突如現れた幽玄の間。

投稿者:yumi |  アート, 建築 |  記事本文