スタジオ宙

八坂の家

伝統的町並み修景事業の一環で建物の修復をする場合、家の修復、町並みの修景という2つの側面がある。ここでは、ファサードを格子戸に換え、半間下がったその内側にガラス戸を作り、通りと店とを柔らかく仕切る中間領域を設け、佐原らしい町並みを修復することに貢献した。しかし、この建物にはもともとそのような空間は存在しなかった。つまり、建物単体の復元にはなってない。単体の建築を文化財として考えるのか、空間性をも含んだ町並みを文化財として考えるのか、そんな問題意識をもってこの計画を提示した。

千葉県香取市 佐原歴史的景観形成地区
住宅+ギャラリー 木造2階建(改装)
千葉県建築文化賞受賞(2007)
写真/スタジオ宙