スタジオ宙

リゾート住宅。非日常の日常を考える。

— Live like in Resort, MYU designed Resort-House in Tokyo. —

先日、中国でのリゾート開発で住宅の共同設計をしていた折、大先輩の建築家とちょっとした論議になった。彼は、普通の住まいと別荘などのリゾート住宅は全く違うもので、それぞれ違う発想で設計するべきだと主張された。でも、旅が好きな私にとって、日常とリゾートの境はほとんどないと言っても良い。毎日の生活の中でもリゾートにいるのと同じように家事や仕事を離れてゆっくりする時間がほしいし、逆にリゾートに出かけたときでもインターネットで仕事の仲間と打合せをし、海を見ながらラップトップで仕事ができる環境が欲しい。日常を支える住宅の中に非日常な感動と出会える場をつくり、別荘でも機能的で且つ安らぎのある空間を作りたいと思っている。
そんな夢を実現した住宅が大学時代の親友の為に設計した通称バリハウス。東京の真ん中にありながら、彼女が休暇で訪ねたバリ島で感じた安らぎ感を再現した住まいが欲しいという要望に応えて、都市の中に「秘境」を作った。仕事を終えて帰宅すると、施主自らバリで購入したバリ風の灯籠、バリスタイルのソファなどの優しいインテリアに包まれ、水庭に落ちる噴水の調べ、水中照明のゆらゆらした反射を見ているだけで、本当に心が安まるという。
日常とリゾートの境がないのは、世代ギャップかな…と思ったが、よく考えてみればこれは、日本の伝統文化である茶道、「市中の隠」茶室のこころに通じるような気もする。
上は、スタジオ宙が設計したリゾート住宅バリハウス(東京都)LDKの写真。
関西に設計したリゾート住宅 BH0711のページは、こちら。

投稿者:Yumi Kori |  日常風景 Diary |  記事本文